近年は河川改修や生活環境の変化で、身近にあったその姿を見る機会もぐんと減ってしましましたが、稲作が伝来する弥生時代までは、その実は人々の食糧とされていました。 また、茎葉は乾燥して神仏の祭事や蓑(みの)、筵(むしろ)など生活道具としても用いられていますし、「万葉集」「和名抄」などの古書にも「まこも」の名が見られ、俳句の季語の中にも「真菰刈」などの言葉が多数見られます。三重県北部の菰野町では由来になったとされ、何かと三重県と縁深い植物です。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「まこも」は、日本をはじめ中国の東部から東南アジアに広く分布しているイネ化の多年草で、沼や川に群生する「ヨシ」や「ガマ」と同じ抽水植物ですが、古くから日本に自生しているものは茎が肥大せず、「まこもたけ」になりませんでした。食用の栽培種として中国などから導入された系統が栽培されています。その系統は、茎の中に花芽に黒穂菌が寄生し、根元の部分が筍状に肥大して「まこもたけ」になります。 「まこもたけ」の食感は、筍に似た膨らみを持ち乳白色の茎は柔らかく、その淡白な味は、どんな料理にも合います。現在は、料亭や中華料理店で高級食材として利用されています。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|